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本当に良いスーツの知りたい人に
良くも悪くもスーツの対極はイギリスとアメリカです。イギリスはスーツの手作りの伝統を代々受け継ぎ、アメリカは経済的、物量的な必要性からスーツを工場生産する既製服を考案しました。日本にもイギリスからもたらせたフルオーダーの伝統と、それをアメリカからもたらせた既成服によって、隅に追いやった歴史があります。
既製服のスーツが当たり前になった世代のひとばかりの現在は、衣食住における衣の部分で、スーツの作り方が見直されつつあります。既製服が絶対に悪いと言うのではなく、フルオーダーが絶対に良いと言うのでもありません。作り方の違うスーツをTPOに合わせて、着分けるのがおしゃれだと思います。スーツを選ぶ場合でも、スーツを着る場面に合わせて、生地を選ぶように、ス-ツの作る方法も選ばれて当然だと思います。ただあまりにフルオーダーされる人が少なくなり、既製服が偏重される結果、品質に関係なくブランドの既成服のスーツが人気になっている日本は変です。
本当に良いスーツを知るために、フルオーダーでスーツを作る事は、どなたにもお勧めしたい事です。ファッションの世界で、先を走っているイタリアやイギリスには、手作りの伝統が息づいています。日本のスーツ文化にとって、今フルオーダーのスーツの伝統を守らなければ、スーツの文化が根付いたとは言えないでしょう。ブランドばかり追う猿真似ファッションでは、本当に良いスーツには出会えません。
どこでフルオーダーを頼むべきか
スーツをフルオーダーで頼む際、どこに頼むかで90%以上スーツの出来が決まってしまいます。スーツをフルオーダーで作る場合は、老舗の有名テーラーに依頼することが最も安全確実です。フルオーダーと言っても、実際はフルオーダーではなく、イージーオーダーに近いところも多く、ひどい場合は仮縫いも無いのにフルオーダーと言っているところがあります。仮にフルオーダーを行なっているテーラーでも、採寸士や裁断士、裁縫士などの、スーツ製作に関わる職人さんの腕によっても仕上がりが異なります。
正直スーツの良し悪しは、試着しただけでは違いはなかなかわからないものです。何年も着てはじめてその違いに驚く事もあり、奥が深いと言えます。更に、フルオーダーを取り扱っているテーラーはただ服を作っているだけではなく、作ったスーツのアフターケアもしっかり行なってくれます。スーツを傷つけたり、破いたりした場合でも、破いた事が分からないほど綺麗に補修してくれます。同じ生地さえあれば、パンツが駄目になっても、パンツだけ作る事が出来ますし、体形が変わった場合でも補正にも対応してくれます。車の高級車と同じです。商品の値段には、アフターケアの料金も含まれていると考えれば納得いかれるはずです。アフターケアの違いが、テーラーの違いとも言えます。
フルオーダーの決め手
フルオーダーの良し悪しは、採寸士の腕が非常に重要になります。本来採寸士は体のサイズを測るだけとお考えでしょうが、採寸士の仕事はそんな単純な仕事ではありません。家を建てる場合の設計士に当たるのが採寸士の仕事です。お客様の体のサイズを機械的に測るだけではなく、お客様との会話を通して、お客様の好みやスーツの着られる状況までスーツの設計に盛り込むものです。
基本的な採寸は、動かない状態の体のサイズばかりでなく、身体を動かした時のスーツの対応も考慮されたもので、サイズだけでなく、微妙な動きに対応した縫製のやり方にも指示をするものです。動きの無い部分の縫製はミシンで行い、動きがある部分は手縫いで遊びを作っておくと言ったものですが、このような事は既製品や他のオーダーではなかなか出来ません。更に仮縫いで、立体的な補正や体形をカバーする補正も加えられます。ただ着やすいだけではなく、スーツを綺麗に見せると言う事が重要です。
採寸士は、スーツに関わる工程に精通している事が求められるため、通常はベテランの職人が行ないますが、イギリスやイタリアでは、基本的な技術を習得してからは、各作業が分業化され、その工程のエキスパートがいます。その中でも採寸に関わる職人の地位が最も高く、スーツの仕上げを管理していると言えるでしょう。
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