メンズスーツの時間

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人気のブランド

人気ブランドのランキングでは、ドルチェ&ガッバーナやグッチ、アルマーニなど、イタリアのブランドが上位を占めています。意外とオーソドックスで、タグが入っていなければ、ちょっと高めのスーツと思えるだけですので、バーゲン価格であれば買ってもいいかもと言ったぐらいです。全体にスリム系のシルエットと言われる割には、アルマーニなどは肩周りがゆったりしていて、相変わらずソフトスーツのようなテイストが感じられます。生地にも拘っていて、極細番手糸を使うなどスリムシルエットになってもアルマーニのスーツはアルマーニと感心します。

ドルチェ&ガッバーナのメンズスーツなどは、ビジネスマン向きで、ステッチが入っているぐらいで、特別目を引くものではありませんが、比較的価格がこなれているようで、他の人気のブランドよりは安目です。

グッチなどは、ボタンの位置が高めで、フロックコートのような衿が太目のクラッシックタイプになっていて、オシャレなスーツと言えます。いわゆるブリティッシュ系のトラッドとは違った雰囲気があり、グッチならではの上品さがうかがえます。

バーバリーのスーツそれなりに個性があってシルエットも綺麗ですが、なかなかどうして平均20万弱の上代価格がついていて、グッチとなるとさすがに35万と高めになっています。これなら高級な生地でオーダースーツがフルで作れる値段ですが、さすがブランドの価値は凄いと思ってしまいます。メジャーブランドでもバーゲンになれば、かなりの値下げになりますから、それを待って購入するのが得策です。有名ブランドとは言え、既成品のスーツを上代のままの、高い値段で購入するような方がいたら、よほどのブランドファンか、モノを知らない人です。

着てみたいランキングに、バーバリーのスーツがランキングインされていますが、多分三陽商会のブラックレーベルを言っていると思うのですが、ブラックレーベルを着て、本当のバーバリーと思われるようでは悲しいですね。実際バーバリーの生地が使われていないバーバリーを、どうしてバーバリーと呼べるのでしょうか、インポート店に行って、まずは本物のバーバリーのコートからはじめ、縫製や生地の違いを確かめて欲しいと思います。

国内のデザイナーズブランドの傾向

今ではメジャーの仲間入りをして、一大アパレルグループになっているビームスやユナイテッドアローズは、オーダースーツも既成スーツも販売していますが、ビームスの既製品は好みの分かれるところです。

ユナイテッドアローズは、オーダースーツもわざわざイギリスの職人を呼んでオーダー会を開くぐらいテイラードの服に力を注いでいますから、値段を別にすれば、良いスーツを作っていると言えます。ただし、他のところへ行けば同じ値段でオーダースーツが作れてしまいます。

シップスはアメ横出身のセレクトブランドですが、スーツは自社ブランドのスーツを販売しています。英国風のトラッドで、生地も奢っている割に10万以下の上代価格ですから、結構お勧めです。ワイズやコムデギャルソンは、独自のテイストを持ったブランドとして、日本を代表するブランドですが、まじめな服作りは今も変わらず、ある意味日本のオリジナルスーツを提案していると言えるでしょう。

日本のメンズのデザイナーは、まじめな人が多いので、レディースの人より好意が持てます。ただスーツとしての着心地となると、アパレル産業自体の問題になりますから、どこのブランドもスーツの外注先には苦労しているようです。アパレル大手のように中国製のスーツに有名ブランドのタグを付けてしまうと言うのは、ちょっと考えものです。

人気のブランドの傾向

良いスーツに対する考え方はさまざまですが、オリジナルの伝統的なスーツを知らなければ話は進みません。良いスーツを作る上でも同じことで、従来のアパレル大手が生産性や効率性にばかり血道を上げている間に、良心的なブランドは、本物を目指しているようにも思えます。

結果的にはユナイテッドアローズのように、海外のテイラードの職人を呼んで、オーダー会を開いている訳ですが、半分お客さんのため、半分会社のために行なっているような気がします。今の日本でオーダースーツが廃れている現在、正当な工賃でスーツを作って売れる状態ではなく、職人さんがいなくなってデザイナーばかりになっています。そして、アパレル産業自体が成り立たたなくなるのは目に見えています。

所謂空洞化現象と言われるもので、心あるデザイナーは危機感を持っていると思います。イタリアなどにデザインの本拠を移すブランドも多くありますが、何もイタリアがファッションの中心地だからではなく、いい職人がいるからです。フランスよりイタリアのファッションが見直されてきたのは、フランスのブランドの生産拠点がイタリアであったことに起因しますが、そのハンドメイドの技術の高さと伝統は、比類ないものです。

ブランドやデザイナーの存在は販売上は重要でも、本来スーツの着心地には関係ないものです。既製品のスーツがアメリカの軍服製造を真似たような作り方をしているようでは、アパレル産業の隆盛は、単にレディースだけに止まり、技術的な基盤の無い空虚なものになるでしょう。